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柔道整復・あはき療養費制度の最新情報とポイント整理
- 2025.10.01
- お知らせ
~施術者が押さえておきたいチェックリスト~
医療費負担が増す中で注目される療養費制度
近年、医療費の自己負担は高齢者を中心に年々増加しています。とくに2025年10月からは後期高齢者医療制度における「2割負担」の経過措置が終了するため、多くの患者にとって外来医療費が増える可能性があります。
こうした流れの中で、柔道整復療養費制度・あはき療養費制度は、患者が安心して施術を受けるための大切な仕組みです。施術者にとっても、制度の正しい理解と適切な運用は、信頼性の高い施術所経営につながります。
2025年10月「2割負担」経過措置終了のお知らせ
2025年10月から、後期高齢者医療制度における「2割負担」の経過措置が終了します。これまで外来医療費の自己負担増が月3,000円までに抑えられていた方も、実際の2割負担額を支払うことになります。
施術者への影響
- 高齢患者様の負担増により、通院回数の減少や施術中断の可能性がある
- 「保険が効く施術」と「自費施術」の区別を丁寧に説明する必要がある
- 療養費制度を誤解した請求や不適切な利用が増えれば、監査リスクも高まる
患者様への案内ポイント
- 2025年10月から窓口負担が増えることを早めに伝える
- 施術所で利用できる保険適用範囲を明確に説明する
- 保険適用外の症状については、自費施術プランを用意する
令和7年(2025年)10月から、後期高齢者医療制度の「2割負担」特例が終了します。
当院では、保険が適用される施術内容をきちんとご説明し、必要に応じて自費施術との組み合わせもご案内いたします。ご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。
柔道整復療養費制度とは
柔道整復師が行う施術について、健康保険の適用を受けられる制度です。対象は主に以下のケースに限られます。
- 打撲・捻挫・挫傷など外傷性の負傷
- 骨折・脱臼(応急手当または医師の同意が必要)
慢性的な肩こりや疲労性の腰痛などは原則対象外であり、療養費を請求できません。施術者としては、適応範囲を明確に説明することが患者との信頼関係を築くうえで重要です。
あはき療養費制度とは
「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師」による施術が、医師の同意を条件として保険適用となる制度です。対象となる主な症状は以下のとおりです。
はり師・きゅう師の場合
- 神経痛
- リウマチ
- 頸腕症候群
- 五十肩
- 腰痛症
- 頸椎捻挫後遺症
- その他、保険医による適当な治療手段のないもの
あん摩マッサージ指圧師の場合
- 診断名によることなく筋麻痺、筋委縮、関節拘縮等、医療上マッサージを必要とする症例
- その他、保険医による適当な治療手段のないもの
こちらも「単なる疲労回復や慰安目的」の施術は対象外である点に注意が必要です。
制度運用で施術者が注意すべきポイント
柔整・あはきともに、療養費制度の不適切な利用や誤請求は、指導や返還の対象となる可能性があります。特に近年は制度の適正化に向けた監査が強化されているため、施術者は以下の点を徹底しましょう。
✅ チェックリスト:施術者が確認すべき7項目
- 医師の同意書の有無(あはきの場合は必須)
- 外傷性かどうかの判断(柔整)
- 施術録の記載内容(負傷名・経過・施術内容を明確に)
- 長期・頻回施術の妥当性(漫然と継続しない)
- 患者説明の徹底(保険適用範囲を明確に伝える)
- 受領委任・代理受領の正確な取り扱い(患者への説明・同意書の保管)
- 不正請求リスクの回避(慰安目的や自由診療との混同を避ける)
今後の動向と施術所への影響
医療費全体の増加を背景に、柔整・あはき療養費制度も見直しの議論が続いています。とくに柔整の施術については「慢性疾患との線引き」や「あはきの適応症との棲み分け」が、行政からも注視されている分野です。
施術者としては、制度改正に関する最新情報を常に把握し、患者への説明や請求事務に反映させることが不可欠です。また、療養費以外の自費施術の導入も、経営リスク分散の観点から検討しておくと安心です。
まとめ
- 医療費負担増の中で、柔道整復療養費制度・あはき療養費制度の適正運用は施術所経営の安定につながる。
- 制度の対象外施術を誤って請求しないよう、「医師の同意」「外傷性の有無」「施術録管理」を徹底する。
- 最新の制度改正情報を常にキャッチし、患者への説明責任を果たすことで信頼を獲得できる。